【海士】若い移住者が1次産業に触れるきっかけをつくり、島の豊かな水産資源を無駄なく使おうと、島根県海士町豊田の海の駅松島で27日、魚をさばく講習があった。20代の20人が鮮魚の三枚おろしを学んだ。
講習は4月から豊田地区の漁師と一緒に養殖イワガキと定置網に携わる短期就業体験「大人の島留学」の塩見友貴さん(27)=山梨県出身=が企画した。
釣りが趣味の塩見さんは我流で魚をさばいていたが、漁師に正しいやり方を教わり、強い関心を持った。「魚は面倒で買わない」という同期が多かったことから「魚がさばければ身近に感じるはず」と思い立ち、参加を呼びかけた。
豊田地区の定置網で水揚げされたイサキが用意され、漁師や塩見さんの指導で参加者はうろこを落とし中骨を取って三枚おろしにした。最後に一口サイズに切り、熱いご飯と一緒に混ぜる郷土食「やなかけ」(漬け丼)にして地元の人たちと食べた。
魚をもらうと動画サイトを手本にさばいていたという高橋志穂さん(23)=北海道出身=は「魚を調理するハードルが下がった。生魚を買ったり、自分で釣ったりしてみたい」と話した。
(鎌田剛)