真っ赤に熟したヤマモモの実を収穫する山田真嗣代表=出雲市多伎町口田儀
真っ赤に熟したヤマモモの実を収穫する山田真嗣代表=出雲市多伎町口田儀

 出雲市多伎町で、ヤマモモの実が収穫期を迎え、ヤマモモを原料に加工品を製造販売する任意団体「たききひめ」のメンバーが、収穫に励んだ。

 ヤマモモの木は、日当たりのいい山の斜面に自生し、同町内の海岸部の山野でよく見られるという。収穫期間が10日間ほどと短く傷みが早いため「幻の果実」と呼ばれる。合併前の旧多伎町ではヤマモモを「町の木」とし、農家が加工品を作っていたが、高齢化で担い手が減少した。

 今年は春に寒い日が多かったため、収穫は例年より1週間程度遅れているというが、畑を所有する藤原均さん(63)によると「真っ赤に実っているものが多い。豊作だ」と話す。

 たききひめの山田真嗣代表(41)が一つ一つ手で摘み、さらに上質なものを選別した。果実を砂糖と一緒に煮詰めたコンフィチュールを作る。山田代表は「最高の原料が手に入った。ほかにない味わいのコンフィチュールを丁寧に作りたい」と意気込んだ。

 道の駅キララ多伎で1個(125グラム)800円で通年販売している。今年は200キロ収穫し、8月以降に出荷する予定という。(黒沢悠太)