第五章・政重(まさしげ)帰参(8)

 

「上様の手の者が付け火をしたと疑われた、ということでしょうか」

 利長は正信(まさのぶ)に詰め寄った。

「さよう。前田家を攪乱(かくらん)するために、土方(ひ...