出雲市平田町の平田本陣記念館で、屏風(びょうぶ)を集めた企画展「屏風ワンダーランド」が開かれ、旧平田市出身の日本画家・小村大雲らの大作が来場者を魅了している。
同館が所蔵、または寄託された作品12点を展示した。江戸時代に描かれ狩野派の狩野洞春が桜と紅葉を題材にした作品は、地元の木佐家に伝わる。木々の間に描かれた川に遠近感があり、流れを感じさせる。
明治から昭和に活躍した小村大雲の大作も並び、六つ折りの屏風が二つ並ぶ「六曲一双」の作品は、金屏風に竹林でたたずむ仙人と鶴を描き、漢詩の世界を表現する。川を渡る虎を描いた作品は、毛並みまで繊細に描かれ、来場者が見入っていた。
このほか、小村大雲と同門の画家が描いた作品や、地元出身の画家が簸川平野や雪景色、身近な野菜を描いた作品も並ぶ。五味朋子学芸員(36)は「それぞれの作品の世界に没入して、屏風の世界に迷い込んで楽しんでほしい」と来場を呼びかけた。
8月31日まで。入館料は一般500円、高校生以下無料。休館日は火曜日。(佐野卓矢)