三重県の鈴木英敬知事は21日、記者会見し、今秋予定していた同県での国民体育大会と障害者スポーツ大会に関し、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、中止する方向で調整に入ると明らかにした。近く文部科学省、日本スポーツ協会、日本障がい者スポーツ協会と協議する。
昨年に鹿児島県で予定されていた国体、障害者スポーツ大会も新型コロナの影響で開催を断念しており、中止になれば2年連続。鹿児島大会は2023年に延期しての開催が決まっている。三重大会に関しては、中止の場合、1カ月以内に実行委員会の総会を開いて方針を決定する。延期なら日本スポ協のルールに基づき27年の開催となる見通し。
鈴木知事は会見で、感染拡大で三重県への緊急事態宣言発令が必要な状況になったと説明し「県民の命を守ることを最優先に出した結論だ」と強調。「断腸の思い、苦渋の決断だ。準備してきたアスリート、指導者の皆さんにおわび申し上げる」と陳謝した。
三重県は21日、緊急事態宣言の発令を政府に要請した。
三重国体の会期は9月25日~10月5日、障害者スポーツ大会は10月23~25日。会期前の9月4日から国体の水泳、体操、レスリング、柔道が始まる予定で、県は一律無観客で開催する方針を決めていた。
国体と障害者スポーツ大会の実行委員会は7月29日の総会で、県内の病床使用率など複数の指標を踏まえて開催の是非を検討すると決定。その後、県保険医協会や、競技が予定されている伊賀市が、県に大会中止を求めていた。