2021年春、福島第1原発事故から10年が経過した地元大熊町。道路をふさぐ立ち入り禁止のゲートの向こうに、人けのない商店街が続く。くすんでしまったピンク色のひさしの生花店を蜂須賀礼子(69)は見つめていた。...