断水解消後、足洗い場の水を出す子ども=出雲市多伎町多岐、道の駅キララ多伎
断水解消後、足洗い場の水を出す子ども=出雲市多伎町多岐、道の駅キララ多伎

 地滑りの影響で出雲市多伎町内3地区で続いていた断水が21日夜に解消した。22日からは道の駅などが3日ぶりに通常営業を再開。給水所での水の調達を余儀なくされていた住民は安堵(あんど)の表情を浮かべた。ただ、国道9号とJRの復旧の見通しは立っていない。

 断水は国道9号に埋設した水道管が破損して18日に発生し、市が復旧工事を続けていた。最大899世帯が被害を受け、町内4カ所に設けた給水所を約2100人が利用した。

 19日から物販を休業していた道の駅キララ多伎(多伎町多岐)は、22日に系列施設とともに営業を再開。柳楽順也駅長は、特産のイチジクの販売シーズンに入り、客も増えることから「早く水を通してもらい安心した」と感謝した。

 給水所に自宅だけでなく近所の独居家庭の水を取りに行き、娘の家で風呂や洗濯をしたという多伎町小田の無職花田増男さん(76)は「大変だったが水が出て良かった。あとは早く道路が通ってほしい」と願った。

 国土交通省松江国道事務所は22日、地滑りが発生した山に含んだ水を抜くボーリングや重機の進入路整備、地滑りを止める矢板の設置作業をした。現段階で復旧時期や通行止め解除時期は未定とする。

 JR山陰線江南-田儀駅間を運休するJR米子支社は調査に入れず、復旧は未定という。 (松本直也)