斜面が崩れ、路面の亀裂や歩道の崩落が生じた国道9号=出雲市多伎町小田(出雲市消防本部提供)
斜面が崩れ、路面の亀裂や歩道の崩落が生じた国道9号=出雲市多伎町小田(出雲市消防本部提供)
路面に複数の亀裂が入り、一部が崩落した出雲の国道9号(出雲市消防本部提供)
路面に複数の亀裂が入り、一部が崩落した出雲の国道9号(出雲市消防本部提供)
斜面が崩れ、路面の亀裂や歩道の崩落が生じた国道9号=出雲市多伎町小田(出雲市消防本部提供)
路面に複数の亀裂が入り、一部が崩落した出雲の国道9号(出雲市消防本部提供)

 路面に複数の亀裂が入り、隆起や崩落が発生した出雲市多伎町小田の国道9号の被災箇所で19日、国土交通省の専門家が現地調査に入った。大雨によって生じた背後の山の地滑りが原因で、全面通行止めが長期化する見通しとなった。近くのJR山陰線も二次災害の恐れがあり、運行再開のめどは立っていない。 (松本直也)

 

水道管の破損による近隣の断水は895世帯に拡大し、住民生活への影響が続く。

 国交省松江国道事務所によると、国土技術政策総合研究所の専門家ら計8人が被害状況などを調査。大雨の影響で道路南側の斜面が幅100メートルの範囲で地滑りし、路面の亀裂や隆起、崩落につながったという。地滑りは現在もわずかに続いており、20日も調査を続けるが復旧時期は未定という。

 18日に現場入りした松江工業高等専門学校の河原荘一郎教授(土質力学)は「斜面のずれを止めなければ対策ができない。雨が降り続く見込みで、復旧には時間がかかる」と話した。

 JR米子支社は現場の安全が確保できず、19日は国道9号に並走する線路の被害調査を断念。出雲市-大田市駅間で特急14本、普通・快速18本が運休した。20日以降は当面の間、江南-田儀駅間で全ての運行を取りやめ、バスで代行輸送する。特急は運休区間を除いて部分運行する。

 出雲市によると、近隣の10世帯30人が親族宅や宿泊施設に避難した。市は町内4カ所に給水所(午前6時~午後10時)を開設。仮設配管で22日中の断水解消を目指す。多伎循環バスの富山線と蔵谷線は20日まで運休する。

 多伎町内の国道9号沿いは過去にも度々、斜面の崩落などが発生している。