五輪のレスリングで金メダルを獲得した須崎優衣選手(26)=キッツ=が9日、島根県海士町でレスリングに取り組む幼児から高校生までの25人に指導した。スパーリングと質疑応答で、参加者は世界を制した技術と精神を学んだ。
須崎選手は2021年にあった東京五輪レスリング女子フリースタイル50キロ級の金メダリスト。同選手のトレーナーが海士町の隠岐島前高校レスリング部出身だった縁で、初めて県内を訪れた。
得意技のクラッチのこつを伝授。手や足の位置やタイミングを実際に技をかけて丁寧に説明した。1分間のスパーリングでは、多くの参加者が須崎選手に挑戦し、世界トップの技の切れや重みを実感した。
須崎選手は質疑応答で競技への思いを尋ねられ、「7歳で始めて一度も嫌いになったことがない。苦しい練習も勝ちたい気持ちで乗り越える」と答えた。
スパーリングをした海士中学校2年、橋本夢来(ゆら)さん(13)は「テレビで須崎選手の試合を見ていたが改めて強いと思った。技術がすごい」と話した。
須崎選手は9月の国民スポーツ大会で実戦復帰し、28年のロサンゼルス五輪で東京、パリに続くメダル獲得を目指す。トレーニングの一環で8~11日に海士町に滞在。期間中は西ノ島町、知夫村にも足を運ぶという。(鎌田剛)