島根県の教員グループが、県内に残る戦争体験を集めた教材冊子「平和学習島根ふるさと読本 私たちのふるさとに戦争があった頃」を完成させ、出雲市役所でこのほど、贈呈式があった。県内の全小学校と教育委員会に贈り、児童が戦争について学ぶ手がかりにしてもらう。
小中学校の教員ら32人でつくる平和学習に関する教員研修グループ「PIECE of PEACE(ピース・オブ・ピース) 島根教師の会」が制作した。
平和学習の教材として地元の戦争資料を求める現場の声を出発点に、体験者の手記を中心に6年がかりで集めた。会員が聞き取った証言や研究者の寄稿、児童用図書リストも収録した。
島根の戦争の痕跡と原爆が投下された広島と島根の関わりを重点的に収めた。
冊子はA4判、約70ページ。出雲市役所で県市町村教育委員会連合会の杉谷学会長に手渡した。計190部が全県の小学校に順次届く。
島根教師の会の須田英典代表世話人(67)は「教材を通じて、戦争記録を私たちの記憶にしていくことが重要。子どもたちが戦争をより具体的に考えて自分の言葉で表現できる手がかりになるといい」と話した。
(今井菜月)













