オアシスが1996年に英ネブワースで行った伝説的ライブの模様を収めた『オアシス|ネブワース1996:DAY2 Sunday 11th August』4Kデジタルリマスター版が、きょう12日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で劇場公開されている。
【ライブ写真】オアシスのステージに帰ってきた!熱唱するリアム・ギャラガー
同作は、オアシスが2日間で延べ25万人を動員し、当時の野外コンサートとしては異例の規模と熱量を記録した歴史的公演の2日目の模様を映像化したもの。再結成ワールドツアーがスタートし、日本公演(10月25日、26日:東京ドーム)を目前に控えた今、来たるべき日に向けた“前夜祭”かつ“予習”として、ファンの間で注目を集めている。
公開前夜となる11日には、YouTubeチャンネル『みのミュージック』で支持を集める音楽評論家・みのと、音楽ジャーナリストの粉川しのを迎えたトークイベント付き先行上映会が開催された。会場は満席となり、10月の来日公演チケットを手にしたファンや、すでにイギリスやアメリカで再結成ライブを体験したファンも来場。熱気あふれるイベントとなった。
ライブフィルムについて「まさに彼らの絶頂期です」と語った粉川は、「94年からたった3年で急成長し、ネブワースでトップ・オブ・トップに到達した。でもノエルの言葉を借りれば『ネブワースは終わりの始まりだった』とも言える」と当時を振り返る。一方で「演奏もリアムのボーカルも本当に最高の状態。あらゆる意味でトップコンディションのオアシスを堪能できます」とその価値を強調した。
オアシスの人気は若い世代にも根強く、みのは「5年前に好きなアルバムアンケートを実施したんですが、今年もやっていて、今回も圧倒的な支持を得ています」と明かす。メディアがつくり上げた“ブリットポップムーブメント”の寵児として捉えていた自身の視点と比較しつつ、「今の若い世代は、そういう先入観がなく“いいものはいい”と受け取っているのでは」と分析した。
これに対し粉川も「オアシスのSNS戦略は明らかに若年層に向けているし、ノエルも『若い人たちが聴いてくれているから再結成できた』と話している」と現状を共有。みのは「無理して若者に合わせる感じじゃない、でもギラギラしててコンディションもいい」と語り、「ちょうどいい状態のオアシスが見れそう」と来日公演に期待を込めた。
実際にロンドン・ウェンブリー・スタジアム公演に足を運んだ粉川は、「正直、再結成が決まっただけで満足してたんですが……想像の15倍良かった。音も厚くて、スタジアム用にクリアに聴こえる」と絶賛。「ネブワースと2025年のライブは最高さの質が違う」と指摘し、「東京ドームでは両者を見比べて楽しめる」と話した。
再結成ツアーの今後にも注目が集まる中、みのが「新曲は出るんですかね?」と質問すると、粉川は「ノエルが楽しそうで。リアムが楽しそうなのはいつもだけど、兄弟の仲が良い今の状態を見ると“続く可能性”を感じます」と語った。
粉川によれば「ロンドン2日目の方が良かった」とのことで、「やればやるほどどんどん良くなる」と実感を語ると、みのも「東京はツアー後半。これはうれしい情報ですね!」と盛り上がった。
イベントの最後には、みのが「内容もさることながら、大きなスクリーンで、しかも音が良いところで観るという体験は何ものにも代えがたい」とコメント。粉川も「日本におけるオアシス2025は今日からがスタート。10月25日、26日までイベントも続きます。新しい伝説が生まれるその日まで、皆さんと一緒に盛り上がっていけたら」と呼びかけ、会場は大きな拍手に包まれた。
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