9月26日からディズニープラス「スター」で独占配信されるアニメ『キャッツ・アイ』のオリジナルテーマを、歌い手・Adoが担当する。杏里の名曲「CAT’S EYE」をカバーするほか、新オープニングテーマ「MAGIC」も歌唱。Adoは、今回の挑戦を通じて三姉妹のスマートさや1980年代的な大人びた表現に触れ、自身の歌唱スタイルにも新しい発見があったという。カバーでは杏里の歌声へのリスペクトと自分らしさの融合に挑み、書き下ろし曲では遊び心と声色の多彩さで新境地を開拓。さらに“盗みたいもの”“侵入してみたい場所”など素顔ものぞかせつつ、ワールドツアーや11月の東京ドーム・京セラドーム公演への意気込みも語ってくれた。
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■私の歌をきっかけに杏里さんの原曲にも触れてもらえたら
――『キャッツ・アイ』という作品についてはご存知でしたか?
知ってはいましたが、世代が違うこともあって、杏里さんの曲や三姉妹が怪盗をしているくらいのことしか知りませんでした。今回歌わせていただくことをきっかけに、もっと深く知ることができました。
――アニメを見てどのように感じました?
三姉妹のスマートさが印象的で、女性像が現代とは違うところもあって「こういう女性いいな」と素直に思いましたし、同性としてもぐっと引き込まれました。「〜だわ」という言い回しも現代にはあまりなくて素敵ですよね。怪盗として活躍する姿や刑事である内海俊夫との恋愛模様もすごく引き込まれる要素だと思います。
――以前Xで「妹やお姉さんがほしかった」とつぶやいていましたが、『キャッツ・アイ』を見て、その気持ちは強くなりましたか?
『うちの3姉妹』 という作品が大好きだったので、妹や姉に憧れていました。私は一人っ子で家族3人だけなので。兄弟姉妹がいる友達からは「兄弟が鬱陶しい」などと聞くこともありましたが、それでもやっぱりそういう環境って羨ましいですよね。
――杏里さんの「CAT’S EYE」のカバー、とても素敵でした。どんな点を工夫されましたか?
工夫した点や難しかった点は多くありましたが、やっぱり杏里さんの歌い方がとてもかっこよくてスマートで、三姉妹のキャラクター像とも重なるなと思いました。普段の私はテクニックを使う歌い方が多いので、シンプルさや大人っぽさを研究しました。息を混ぜた発声や、1980年代っぽいニュアンスを入れることにも意識して。その魅力を取り入れつつ、自分の力強さもポイントにできたらと思いながらレコーディングしました。自分らしく楽曲への表現ができたのかなと思います。
――原曲を聴き込む中で、新しい発見はありましたか?
杏里さんの楽曲を聴いたとき「なんてシンプルなんだろう」と思ったんです。私とは真逆の歌い方で、すっと心に入ってくる。しかも20歳前後であの表現をされていたと知って衝撃を受けました。英語の発音もかっこよくて、改めて杏里さんの魅力を感じられました。
――カバー曲を歌うときに心がけていることはありますか?
原曲を愛するみなさんに楽しんでいただけるように、リスペクトを込めることを一番に考えています。私のファンの方々にも原曲ファンの方々にも純粋に楽しんでいただけるように、という気持ちで歌っています。私と同世代の方は初めて『キャッツ・アイ』を観る人が多いと思うので、私の歌をきっかけに、杏里さんの原曲にも触れてもらえる流れができたらうれしいです。
――書き下ろしの「MAGIC」についても伺います。カバー曲との違いは?
半分は「CAT’S EYE」で意識した優雅さや大人っぽさを、もう半分は自分の遊び心を交えてみました。いろんな声色を使って、自分らしさとキャラクター像の両方を表現できたらと思っています。
――ツミキさんが書き下ろした楽曲を歌ってみてどうでしたか。
リスナーとしてずっと聴いてきた方なので、書き下ろしていただけてすごくうれしかったです。1980年代ポップスを感じさせるアレンジの中に、容赦ないビートやリズミカルなパートが盛り込まれていて、中毒性がある楽曲だなと思いました。フレーズごとに色が込められているのも伝わってきましたね。
――レコーディングはスムーズでしたか?
「CAT’S EYE」とは違った難しさがありました。ビートや音色が頻繁に変わるので、そのたびに声色を変えることに挑戦して、特に早口のパートは何度も録り直しました。テイク数は「MAGIC」のほうが多かったと思います。
■Adoが「盗みたい」と思うもの
――『キャッツ・アイ』の三姉妹は怪盗ですが、Adoさんが「盗みたい」と思うものってありますか?
羨ましいと思うことはたくさんあります…。ダンスが上手な人を見ると「私もあんなふうにもっと踊れたらいいのに」って思いますし、絵が上手い人もそうですし、男女問わずいろんな人の技術を羨ましいと感じます。
――三姉妹みたいに侵入してみたい場所はありますか?
フェスに出演することはありますが、姿を出していないこともあってバックヤードなどには入れないので、共演者の方のパフォーマンスを会場で見てみたいなといつも思っています。
――二度目のワールドツアーも大きな話題となりましたが、振り返ってみていかがですか?
長いと思っていたのに、振り返るとあっという間でした。各国の文化に触れることで考え方も変わりましたし、技術的にも多くの公演を通して成長できているなと実感しています。早くその経験を日本での次のワンマンツアーに活かしたいですね。
――11月の東京ドーム、京セラドーム公演に向けて意気込みをお願いします。
応援してくださるみなさんに、たくさん楽しんでもらえるライブにしたいです。これまでの成長をしっかり見せたいなと思っています!
【Ado プロフィール】
22歳の歌い手。2020年に「うっせぇわ」でメジャーデビューを果たし社会現象に。22年1月に発売した1stアルバム『狂言』や主題歌/劇中歌を含む全7曲の歌唱を担当した映画『ONE PIECE FILM RED』の楽曲を収録したアルバム『ウタの歌 ONE PIECE FILM RED』もランキングを席巻しロングヒット。24年2月からは世界ツアー、4月には女性ソロアーティストとして初の国立競技場でのライブを開催した。7月からは初の全国アリーナツアーを開催。7月には自身2枚目となるオリジナルアルバム『残夢』を発売し、10月には自身初となるCDシングル『桜日和とタイムマシン with 初音ミク/初夏』を発売。今年はメジャーデビュー5周年イヤーを迎え、4月には自身初のベストアルバム『Adoのベストアドバム』発売し、自身2度目となるワールドツアー『Ado WORLD TOUR 2025 “Hibana” Powered by Crunchyroll』を完遂。11月にはドーム公演を開催する。
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