妊娠したはずなのに、子宮に赤ちゃんの姿が見当たらない。医師から告げられた病名は「子宮外妊娠」。深く考える間もなく緊急手術が決まり、赤ちゃんを失う―。そんな経験をする女性は、実は少なくない。

 子宮外妊娠は、学術的には異所性妊娠という。確率は全妊娠の1~2%程度で、100人に1人と考えると、それほど珍しくない。妊娠は続けられない上、発覚が遅れると母体の命にも関わり、実際に死亡例もある。

 完全な予防法はないが、知識や検査でリスクを下げることはできる。性感染症を避けるため、普段からコンドームを正しく使うこと。生理不順や下腹部の痛み、性器からの出血があれば、とにかく早めに受診すること―。さらに、子宮外妊娠だからこそのつらさが知られれば、思いやりにもつながるだろう。

 だが、医師であり経験者でもある女性は、啓発がまだまだ足りていないとみる。「受診の大切さやこの病気特有の悲しみや孤独感があることを、一般の人にもっと知ってほしい」。自身の経験を語ってくれた。(共同通信=池上...