全国学力テストの児童生徒へのアンケートでは、「学校に行くのが楽しい」との割合が小中学生とも目立って減少した。文部科学省は「新型コロナウイルスの影響で給食中も会話ができないなど、学校での楽しみが制限されていることが要因の一つではないか」と分析している。
「学校に行くのが楽しいと思うか」との質問に「当てはまる」と答えたのは、小6が48・0%、中3が43・4%で、前回2019年度調査よりそれぞれ6・0ポイント、2・4ポイント下がった。「将来の夢や目標を持っているか」では、小6が5・7ポイント減の60・2%、中3が4・4ポイント減の40・5%だった。
不要不急の外出の自粛を強いられた影響は、学校外での活動にも及んだ。地域行事に参加しているのは、小6が10・4ポイント減の26・6%、中3が4・5ポイント減の16・1%。学校へのアンケートでも、校外での研究会に定期的に教員が参加している学校は、小中とも10ポイント程度減った。
2020年4月以降の一斉休校期間(休業日を除く)は、「50日以上60日未満」が小学校で23・6%、中学校で22・6%といずれも最多。90日以上は5・6%、5・5%だった。学校側は、家庭訪問などに加えて電子メールや会員制交流サイト(SNS)で子どもの学習・生活状況の把握に努めていた。
一方、家庭学習の手段としての「同時双方向型オンライン指導」はほとんどの小中学校で実施できなかった。一部の学年でもやったのは、小学校6・2%、中学校9・4%。対面での授業と遜色ない学習機会を確保できていないことが鮮明になった。