ラグビーの2015年ワールドカップ(W杯)イングランド大会で日本代表が1次リーグ初戦で南アフリカ代表を破る「史上最大の番狂わせ」を起こしてから9月19日で10年となった。英国南部のブライトンで成し遂げた「奇跡」は世界を驚かせ、低迷していた日本のラグビー人気も向上。19年W杯日本大会で初の8強入りを果たす礎となった。節目を迎えた今、当事者たちの言葉で歴史的快挙を振り返った。(共同通信=田丸英生、渡辺匡)

 ▽試合直前、指揮官に異変

 それまでW杯7大会で通算1勝2分け21敗だった日本に対し、南アフリカは出場5大会で2度優勝していた強豪国。下馬評は圧倒的に低く、選手もそれは理解していた。低迷期の04年から代表でプレーしたロック大野均は、W杯で勝つ難しさを知る一人だった。

 大野「誰もこ...