第八章・寛永の危機(5)

 

 互いの贈答が終わった後、家光を茶席と演能でもてなした。

 濃茶の点(て)前(まえ)は利常が自ら務めた。正客は家光、次客は徳川忠長(ただなが)、それに藤堂高虎(たかと...