新型コロナウイルスワクチンの職域接種で、鳥取県内の一部会場が島根県民を含めて広く市民に対象を広げた。供給不足で接種開始が遅れた間に集団、個別接種が進み、計画した予約枠に空きが出たため。ワクチンが余ると国の指定先で活用されるが、冷凍保存や輸送の手間が生じるだけに使い切ろうと腐心する。 (田淵浩平)

 鳥取県内では業界団体や教育機関、企業などが36会場で、計7万8千人に接種する予定。米モデルナ製ワクチンの供給が8月下旬から本格化したが、接種開始が当初予定から1カ月以上先送りされた会場は少なくない。このため、市民、さらには県外の住民にも対象を広げる例が出た。

 山陰両県民を受け入れ、9月4日時点で予約枠の空きがあるのは、鳥取県やJA鳥取中央会など8団体(13会場)。

 米子商工会議所は9~10月に会員企業の関係者ら5800人に接種する計画に対し、3日現在の予約が2500人余り。8月19日に予約受け付けを始め、27日には市民にも開放したが、予約枠に5割以上の空きがある。

 接種開始が当初予定の7月24日から9月9日にずれ込む間に、地元の米子市民の1回目接種率は33・8%(7月25日)から53・4%(8月末)へと上がった。長谷川智之事務局長は「実施がずれ込んだのは誤算だった。集団や個別の予約が取れていない希望者は利用してほしい」と呼びかける。

 3千人への接種計画に対し、半数以上の予約枠が空く鳥取市教育委員会の担当者は、余剰の発生を見込むが「接種が終わっても保管などの業務が残る。地元のためにも、できる限り接種したい」と話した。

 市民に予約枠を開放した県内接種会場の詳細は、県インターネットサイト(https://www.pref.tottori.lg.jp/shokuiki-kaihou/)。それぞれインターネットで予約できる。