8月12日からの大雨で国土交通省出雲河川事務所が、斐伊川放水路と尾原、志津見両ダムの運用結果をまとめた。斐伊川下流の灘分観測所(出雲市灘分町)で93センチ、宍道湖の松江観測所(松江市白潟本町)で40センチの水位低減効果があり、松江観測所で避難指示の目安となる氾濫危険水位の超過を防いだと推定した。

 斐伊川流域は降り始めからの流域平均雨量が約252ミリを記録。基準流量に達したため、事務所は8月13日に放水路のゲート操作をし、最大毎秒570トンを神戸川に向けて分流した。

 尾原ダムは最大毎秒約420トンの流入に対し毎秒120トンをため、志津見ダムは毎秒200トンに対し毎秒90トンを貯留。

 結果、ダムや放水路がなかった場合と比べて水位上昇を抑え、流域の浸水被害を軽減し、松江観測所でははん濫危険水位(1・4メートル)に対し最高水位は1・09メートルにとどまった。

 運用結果は速報値。神戸川では、志津見ダムと河川の拡幅により、馬木観測所(出雲市馬木町)で11センチの水位の低減効果があったと推定した。 (松本直也)