短歌 丸山恵子選

解体の町舎に咲いて返り花重機の高く高きにあがる        松 江 石倉カズエ

  【評】返り花は、小春日和に桜など春の花が咲くこと。解体される時にその建物の往時をしのぶかのよう。花の咲く傍ら、大きな重機がさらに高く伸びている。その先には空があり、未来がある。「高く高きに」のリフレインが良い。

椿の実集めていると放送の児童の声が凛凛ひびく         安 来 鐘築 京子

  【評】作者が椿の実を集めていて放送が聞こえてきたのか、「椿の実を集めています!」と小学生が放送しているのか。いずれにしても、初句の椿の実にぽってりとした質感...