島根県で初めて設置されたファミリーマートの自販機と、管理担当の藤原裕二さん(49)=松江市殿町、島根県庁南庁舎=
島根県で初めて設置されたファミリーマートの自販機と、管理担当の藤原裕二さん(49)=松江市殿町、島根県庁南庁舎=

 島根県内で初めてコンビニの自動販売機が登場したという。最近の自動販売機にはいろいろなものがあるみたいだが、ついにコンビニ? 無人コンビニの様子はテレビで見たことがあるが、自販機となるとイメージがわかない。仕組みはどうなっているのか。品ぞろえはどれくらい豊富だろうか。体験してみた。(Sデジ編集部・宍道香穂)

 大手チェーンのファミリーマートの自動販売機で、設置された場所は松江市殿町、島根県庁南庁舎の1階。

 

バラエティー豊かな35品目

 自販機はレーンに商品が並んでいるタイプ。高さ183センチ、横幅116センチ、奥行き85センチで、ちょっと大きめの飲料自販機くらいだ。買いたい商品の番号をボタンで入力する方式。
 おにぎりやパン、スイーツ、弁当、飲み物といった35品目が並び、価格帯は100円~550円。丼ものやパスタ、サラダまであり、意外と種類が豊富で驚いた。
 何か買ってみよう。硬貨を入れ、季節限定の「紅はるかのスコーン」を選ぶ。スコーンが押し出され、トレーに乗って取り出し口に運ばれてきた。自販機で季節限定スコーンが買えるとは、小さな感動。
 自販機の中は保冷され、スコーンを取り出すとほんのり冷たい。商品はすべて冷たい状態で出てくるため、職員たちは弁当などを温めたい場合、庁舎内の電子レンジで温めて食べている。

自販機の側面には「島根県初!!」の文字

 昨年度から設置が検討され、今年8月、設置された。島根県庁周辺にはコンビニエンスストアがなく、南庁舎は食堂や売店のある県庁本庁舎から一般道路を挟んで離れている。「休憩時間に弁当や飲み物を手軽に購入できる場所があったら」と職員からの要望もあったという。
 南庁舎から一番近いコンビニまでは約800メートルの距離があり、徒歩だと10分近くかかる。往復で約20分。昼休憩のうち20分を移動に使うのはやはり避けたい。
 たびたび自販機を利用するという男性職員は「小腹が空いた時など、おにぎりをよく買います。わざわざ外へ買いに行かずに済み、助かっています」と話した。おなかが空いたけど外に出るのは面倒…というとき、職場で手軽に食べ物を購入できるととても便利だ。

県庁南庁舎。1回の入り口付近にコンビニ自販機が設置されている。

人気はスイーツやカップ入りスープ

 コンビニのスタッフが毎日、開庁時間の午前7時半に間に合うよう商品を自販機に陳列し、品切れがあれば昼ごろに補充する。現在、並んでいるのはおにぎり、スイーツ、カップ入りスープ、パン・サンドイッチ、パック入り飲料、弁当・パスタ、サラダの計35品目。
 よく売れているのはシュークリームで、間食や休憩のおともに購入する人が多いという。コンビニスイーツはここでも人気だ。ほっとひと息つきたい時、甘いお菓子が手軽に買えるのはうれしい。
 カップみそ汁も人気で、リピート購入しているとの声も届く。弁当にもう一品足したいというとき、お湯を入れるだけで食べられるカップ入りスープがあるとありがたい。
 ファミリーマート中四国リージョン松江営業所の肥田木拓也さん(27)は「なるべく店頭で人気のある商品を自販機にも並べるようにしています。需要の高いものを並べることで、わざわざコンビニへ行かなくても十分に商品を楽しんでもらえたら」と話す。

自販機の中には商品がずらり

 職員以外の一般客も開庁時間の午前7時半から午後6時半まで利用可能なため、勤務先が近くにある人は、通勤時にさっと立ち寄ることができる。平日の開庁時間外や土日祝日は、一般客の利用はできない。コンビニに寄っている時間はないけどお昼はコンビニの弁当が食べたい! というときに助かりそう。
 昼食に好きなものを食べるのが一日の楽しみという人も多いだろう。これからコンビニ自販機の導入が広がり、昼食や間食の選択肢が広がれば、日々の仕事の気分転換や、ちょっとした癒しを与えてくれそう。
 また、コンビニによってはレジ対応の従業員の確保が難しくなっていると聞く。レジの自動化や新型コロナウイルス対応などから、設置場所さえあれば、コンビニの自販機は増えていくのかもしれないと感じた。