防波壁を視察する平井伸治知事(右)ら=松江市鹿島町片句、島根原発
防波壁を視察する平井伸治知事(右)ら=松江市鹿島町片句、島根原発

 中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町片句)が原子力規制委員会の審査に合格したことを受け、鳥取県の平井伸治知事が6日、原発から30キロ圏内に含まれる米子、境港の両市長と共に原発構内を視察した。知事は専門家による確認も必要として、県の原子力安全顧問を視察に派遣すると伝えた。    (高見維吹)

 知事が島根原発を訪れるのは2018年4月以来、3年半ぶり。米子市の伊木隆司市長、境港市の伊達憲太郎市長と3人で訪れた。

 2号機の原子炉建物内で、使用済み核燃料を保管する燃料プールや、災害時に原子炉の冷却などに使う非常用のディーゼル発電機を見て回った。

 最大で海抜11・9メートルの津波が到達するとの想定で建設した防波壁(全長1・5キロ、海抜15メートル)の説明も現場で受けた。

 平井知事は視察後、「審査に基づく多重の防護の取り組みは理解できるところがあった」と評価。その上で「国とは別の目線でダブルチェックすることが当面の課題だ」と述べ、原子力工学や地盤工学などの専門家に委嘱する原子力安全顧問にも現地を確認してもらうとした。

 また、改定を求めている安全協定を巡り、5日に中電から県と2市に「本文の改定が必要と考えている」との説明があったことについては、「一歩踏み込んでもらった」と述べ、具体的な文案の提示を待って対応する考えを示した。