地域住民の悩み相談に乗る坂本佐土美会長(右奥)=松江市内
地域住民の悩み相談に乗る坂本佐土美会長(右奥)=松江市内

 新型コロナウイルスの感染拡大で精神的な悩みを抱える人が増える中、島根県内で悩み相談に応じるボランティア活動が停滞している。団体メンバーの減少やコロナ禍に伴う活動の自粛が主な理由で、役割が増しているだけに団体への早急な支援策が求められる。
 県精神保健ボランティア連絡協議会(坂本佐土美会長)は会員の高齢化に伴い、加盟団体が2004年の8団体から20年は3団体に減少。松江ほほえみの会(松江市)は18年度に25人いたメンバーが21年度は18人に、こもれび(益田市)は50人が36人に、さくらんぼの会(隠岐の島町)は30人が24人となった。
 コロナ禍での感染防止を理由に市民の悩み相談に応じる機会も減少傾向にあり、坂本会長は鬱(うつ)や統合失調症に悩む住民が自宅で孤立感を深める傾向が強まると懸念。「こんなときなのにボランティア活動は縮小せざるを得ない」と歯がゆさを感じている。
 悩み相談を受ける「島根いのちの電話」(事務局・松江市東津田町)も人手不足の課題に加え、感染者や県外から帰県した家族との接触による健康観察などで現在、103人いる相談員のうち実際に勤務できているのは7割ほど。感染防止の観点から常駐する相談員の人数を2人から1人に減らしていることもあって、かかってくる電話の1割も取れない状況が続いているという。
 厚生労働省の統計によると、2020年度に島根県内で自ら命を絶った人は124人(前年度比14人増)で5年ぶりに増加。内訳は男性94人、女性30人で、人口10万人当たりの割合は全国8位の18・8%と高い傾向にある。
 こうした状況を踏まえ、県は地域住民への啓発のほか、ボランティア団体への支援のあり方についても検討していく考え。県障がい福祉課の青山佳世グループリーダーは「(年1回策定する)自死対策総合計画も踏まえながら、自死者の減少につながる支援体制を構築したい」と話した。
(佐々木一全)