衆議院議員候補の第一声に集まった聴衆
衆議院議員候補の第一声に集まった聴衆

 第49回衆議院選挙が19日、公示された。山陰両県の4小選挙区には、計10人が立候補し、選挙戦がスタートした。Sデジ編集部では、第一声を行った9人の候補の演説内容を分析し、島根と鳥取に分けて、どんな言葉がよく使われたかを調べてみた。

立候補した候補者名と第一声の時間
衆院選立候補者(届け出順)※()内は期数
<島根1区>
亀井亜紀子56党副幹事長 立前(1)8分13秒 
細田 博之77元官房長官 自前(10)13分28秒
亀井 彰子64元中学教諭 無新
<島根2区>
向瀬 慎一50党地区委員長 共新14分43秒
山本  誉64元島根県議 立新10分25秒
高見 康裕41元島根県議 自新8分33秒
<鳥取1区>
石破  茂64 元党幹事長 自前(11) 12分56秒
岡田 正和39 党県常任委員 共新12分42秒
<鳥取2区>
赤沢 亮正60 元内閣副大臣 自前(5)9分10秒
湯原 俊二58 党県連副代表 立元(1)9分8秒

 島根1区の亀井彰子候補は第一声をしなかったため、他の9人の候補の第一声を対象にした。録音した演説から文字を起こし、よく使われた言葉を選び出した。「皆さま」といった呼び掛けや「島根」「鳥取」など選挙区の地名、政党名などは除いた。

第一声に耳を傾ける市民



【島  根】
 1区と2区合わせて5人の候補の第一声で、よく使われた言葉の使用回数ベスト5は以下の通り。
①政治 27回
②地方 25回
③コロナ 17回
④先生 12回
⑤ふるさと 11回


 最も使われた言葉は「政治」。主に野党候補が多用し、コロナ対応などで政府の責任を問い「政治を変える」といった文脈で使われた。

 「地方」は特に与党候補に多く使われ、政府の「地方創生」の取り組みや、「地方の声を国政に届ける」といった主張の中で使われた。

 「コロナ」は、与野党候補ともに、コロナ禍で窮状にある飲食店や観光業の支援に力を入れるなど、コロナ対策の訴えの中に登場した。

 山陰の小選挙区は与野党候補が激突する。次は与党候補と野党候補の第一声に分け、よく使われた言葉のベスト3は以下の通り。
与党候補
①地方 18回
②コロナ 13回
③ふるさと、先生 11回 

野党候補

①政治 26回
②原発 9回
③地方 7回


 与党候補では、3位に「ふるさと」「先生」が入った。先生は、主に9月に死去した竹下亘氏を指し、竹下氏との思い出の紹介や遺志を継ぐ決意表明に使われた。「ふるさと」も竹下氏について語る中で多く登場した。

 野党候補では「原発」が上位にランクインした。島根原発2号機が原子力規制委員会の審査に合格し、再稼働の判断が迫っていることを受けて言及。再稼働反対の主張、是非を問う住民投票の実施を訴える中で使った。

【鳥  取】
 1区と2区合わせて4人の候補の第一声で、よく使われた言葉の使用回数ベスト5は以下の通り。
①地元 40回
②コロナ 24回
③政治 22回
④農家 11回
⑤所得 10回

 最多は「地元」。前職の与党候補が多用した。国会議員はコロナ禍で帰る機会が激減。地元を連呼し、支持者とのつながりを強調した。

 「コロナ」は第2位。医療体制の充実、事業者支援、経済回復と切り口は分かれたが、全候補が口にし、各候補が大きな争点としていることが分かる。

 第4位には「農家」が入った。コロナ禍で米価の下落が続き、厳しい状況に陥っている。主に野党候補が使い、農家の支援を訴えた。

 続いて、与党候補と野党候補の第一声に分け、よく使われた言葉のベスト3は以下の通り。
与党候補
①地元 38回
②コロナ 17回
③責任 5回

野党候補
①政治 22回
②コロナ 7回
③農家 7回

 与党候補が多用したのは、地元、コロナに次いで「責任」。「説明責任」などの言葉で、説明責任が問われた前政権の政治姿勢を戒める文脈で多く使われた。

 野党候補では「政治」がトップになった。追及を続ける森友学園、桜を見る会の問題を挙げ、政治のあり方を問い、政権奪還の意欲を強調する中で使用した。

 全体を通じて、両県とも「コロナ」「政治」が上位に入った。コロナ禍で日常生活が大きく影響を受ける中、政治が果たす役割が問われていることの表れではないか。10月31日の投開票まで、候補者が発する言葉に耳を傾け、私たちの暮らしと地域社会、日本の未来を考えた一票を投じたい。