息子が生後5カ月になり、離乳食を開始した。10倍がゆ、野菜、豆腐など、初めの1カ月は順調だったが、ある日を境に全く進まなくなってしまった。

 生後6カ月になったある日。大人用のみそ汁から豆腐を取り出し、お湯で薄め、つぶして食べさせた。その2時間後突然、大量に嘔吐(おうと)した。何度ももどし、最後は胃液まで吐いた。小児科を受診し、胃腸炎と診断されたのだが、後から思い返すと、みそ汁に卵が入っていたのだった。

 しばらく離乳食は休み、再開後、パンを初めて食べさせたが、食後2時間で複数回嘔吐した。「この前と同じだ」。ようやく食べ物と嘔吐との関係を疑い始めた。次に嘔吐したのは、鶏肉を食べさせた日。食後3~4時間で発症した。

 嘔吐があったときの食材は卵に小麦、鶏肉。再度受診した小児科で「消化管アレルギーの疑い」との診断が下りた。いわゆる食物アレルギーは、食後数分以内に発疹や嘔吐、呼吸困難などを発症する。消化管アレルギーはこれとは異なり、消化器官が未熟で起きる拒否反応という。詳しい診断をするため、2泊3日の入院で負荷試験を受けることになった。

 卵、小麦、鶏肉…。もしもアレルギーがあったら、これらを避けて食事を作らなければならない。保育所の給食でも除去してもらうことになる。いろいろな食品のアレルギー表示を確認すると、ほとんどの食品に三つのうちどれかが含まれていることに気付いた。心がズーンと重たくなる。「この子は自由に食べるものを選べないのか…」「家族一緒に同じものを食べられないのかな」。これからを案じ、ため息が出た。友人の子が、離乳食を何でもぱくぱく食べる、という話を聞いては落ち込んだ。

 負荷試験までは、指定の食材は避けるように、とのこと。何か食べさせては、「また吐くのでは」とビクビクしていた。毎日暗い気持ちで、おかゆと野菜を混ぜたものばかり食べさせていたら、息子の体重も増えが悪くなり、「離乳食が進まないからだ」とますます落ち込んだ。しばらく「離乳食」という言葉すら聞きたくない期間が続いた。