浜田市の日本海信用金庫で開かれている書道展に出品した。「ごめんなさい」というレベルだが、へたうま、味わいという解釈でご容赦を。筆、紙、額の道具で未熟な腕を補った▼以前は道具を軽視していた。「弘法筆を選ばず」のことわざがある上、名刀となまくら刀を使い分ける剣豪のように、道具に力量を合わせられるのが真の達人と思い込んだ。しかし昨年、トッププロも使う海外メーカーの金管楽器を購入し、考えを改めた▼良い楽器がどういうものか知らなかったのだ。すごくいい音がする。だが、すぐ音が外れる。対策は地道な基本と反復練習の徹底だ。道具を使っているようで使われているのだと思えてきた▼道具愛が昇華され文化となったのが茶の湯。江津市松川町の森原下ノ原遺跡で、室町時代前半に重宝された中国の天目茶わんが完全な状態で見つかり、今月上旬に報じられた。茶聖・千利休の時代より100年は古く、国内では自前で茶わんを作り始め、まだ日が浅い。わび茶の成立以前で、ありがたい舶来物は幽玄というより華やかな茶席でもてはやされただろう。茶わんの目には、有力者であろう持ち主はどう映ったのだろうか▼秋の磯釣り用に感度の良さに定評のあるブランド浮きを入手した。おかげで妄想が楽しい。大物のヒラマサを釣り上げて笑顔満開だ。わが技術が浮きに対して申し訳ないかどうかは磯で考えたい。(板)