支持者に頭を下げてあいさつする候補=出雲市内
支持者に頭を下げてあいさつする候補=出雲市内

 新型コロナウイルス対策や疲弊した地域経済の立て直しなどを争点とした衆院選が、最終盤を迎えた。山陰両県の4小選挙区に立候補した10人の陣営は、有権者の審判を目前に控え、街頭演説や電話作戦を展開。一票でも積み重ねようと、最後まで声をからして訴える。 (取材班)

<島根1区>
 先行する自民党の細田博之候補の陣営は街頭演説の聴衆の多さに手応えをつかむ一方、組織の緩みを警戒する。一部報道機関の世論調査で接戦だと報じられた29日は、県議や党地域支部、各種後援会など約80カ所に、電話作戦を徹底するよう求める文書を出した。

 最終日は有権者数の約8割を占める松江、安来両市、旧平田市で遊説。最終演説は800人を目標に動員し、取りこぼしを防ぐ。選対本部長の細田重雄県議は「最後まで追い込みをかける」と気を引き締める。

 追い上げる立憲民主党の亀井亜紀子候補の陣営は、支持政党のない無党派層への浸透が最終盤の戦いの鍵を握ると分析。最終日の遊説は大票田の松江市中心部に絞り、買い物客らに支持を訴える。

 前回選で復活当選した比例中国ブロックの動向も意識し、最終演説は支持母体・連合島根の組合員を中心に動員500人を目指して支持固めに注力。選対事務局長の角智子県議は「最終日にどれだけの人の心を動かせるかで得票数が変わる」と強調する。

 無所属の亀井彰子候補は最終日に個人演説会で女性の社会進出の必要性を訴え、独自の戦いを続ける。

<島根2区>
 他候補を引き離す自民党の高見康裕候補の陣営は、故竹下亘氏の前回選の実績(67・8%)を上回る得票率75%を目標に上積みを目指す。最終日は竹下氏のふるさとの雲南市掛合町に入り、大票田の出雲市で行う最終演説には千人以上の聴衆を集める予定で、選対本部長の森山健一県議は「動員を徹底する」と盛り上がりに期待する。

 組織力で及ばない立憲民主党の山本誉候補は、投票先を決めかねている浮動票の獲得を狙う。28、29両日に出雲市内を遊説したため、最終日は出雲市から地盤の県西部に向けて選挙区を横断する。総合選対委員長の福原宗男益田市議は「米価下落の影響が広がっている」と強調し、農家の戸別所得補償制度の復活に向けた訴えも強化する。

 共産党の向瀬慎一候補は、政権与党に対する批判票や浮動票の掘り起こしに照準を合わせる。最終日は出雲、大田両市で公示後最多となる計20カ所で街頭演説を計画。2区選対責任者の大国陽介県議は「政権選択の選挙であり、有権者の関心の高まりを感じる」と話し、比例中国ブロックでの得票を意識した訴えを続ける。

<鳥取1区>
 自民党の石破茂候補の陣営は最終日、大票田の鳥取市で支持固めに徹する。有権者の7割弱を占める一方、前回選は選挙区内7市町で最も得票率が低かったため、てこ入れする。

 全国遊説を終えた候補が午後に入り、商業施設など人通りが多い場所での演説や遊説を繰り返す予定。東部選対本部長の浜崎晋一県議は「最後まで緊張感を持って訴える」と意気込む。

 共産党の岡田正和候補は、気候変動対策やジェンダー問題の主張に若年層の反応が良いとして街頭演説の場所を変更。若者が集まる商業施設などでマイクを握る回数を増やす。

 ツイッターで遊説日程を公開し情報を発信。電話作戦と合わせて訴えの浸透を図る考えで、選対本部長の伊藤幾子鳥取市議は「一人でも多く声を掛けて支持を広げたい」と力を込めた。

<鳥取2区>
 自民党の赤沢亮正候補は最終日、県西部全域を遊説し、選挙区内は4巡目に入る。新型コロナウイルス担当の内閣府副大臣を務め、これまで帰県が限られたため、くまなく回る戦略だ。

 街頭演説の様子を会員制交流サイト(SNS)に投稿して拡散する。米子市選対本部長の野坂道明県議は「最終日の熱量が勝敗を決する」と息巻く。

 対する立憲民主党の湯原俊二候補は、支持政党のない無党派層への浸透が欠かせないとして、有権者の半数を占める大票田の米子市を重点的に回る。

 電話で支持を呼び掛けるスタッフは従来の10人から3倍に増強して臨む。選対本部長の福間裕隆県議は「残り1日で追いつき、選挙区で勝つために全力を尽くす」と誓った。

 

◇島根1区

亀井亜紀子56 立民前(1)

細田 博之77 自民前(10)

亀井 彰子64 無所属新

◇島根2区

向瀬 慎一50 共産新

山本  誉64 立民新

高見 康裕41 自民新

◇鳥取1区

石破  茂64 自民前(11)

岡田 正和39 共産新

◇鳥取2区

赤沢 亮正60 自民前(5)

湯原 俊二58 立民元(1)