島根半島で釣れたフエフキダイとヨコスジフエダイ(右端)
島根半島で釣れたフエフキダイとヨコスジフエダイ(右端)

 島根県沿岸で「見慣れない魚」が釣れるようになった。元々個体数が少なかった魚が地球温暖化で繁殖しているもようで、釣り人の多くは正体が分からないため魚を海に帰している。だが調べてみると、他県では食用として流通する魚もあり、実際に焼き魚にしてみるとおいしく味わえる。

 島根半島周辺の磯や防波堤での釣りでは、今年の夏前ごろから、クロアイ(メジナ、グレ)やチヌ(クロダイ)に混じり、体長30センチ前後で唇が厚く、黄色とピンクの混じった魚が目立つようになった。

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 くちばしのような口のタイプと、全身に黒い筋が入ったタイプの2種類。ベテランの釣り人に聞くと、後者は通称「紋付き」と呼ばれ、以前から時々釣れることがあったという。今シーズンは釣りに行けば必ず釣れる「豊漁」で、釣りが趣味の記者も30匹以上を釣り上げた。

 県西部の近海を再現した展示水槽があるしまね海洋館アクアス(江津市、浜田市)は、定期的に江津市沖の定置網から鮮魚を入荷している。魚類展示課の岩沢愛弥さん(26)は「例年より多く網に混じるようになった」といい、フエフキダイの仲間だという。
 

島根半島で釣れたフエフキダイとヨコスジフエダイ(右端)

 フエフキダイの調査実績がある沖縄県水産海洋技術センター海洋資源・養殖班の岸本和雄班長(48)は「新潟以南の日本海、太平洋、東シナ海、瀬戸内海沿岸に分布している」とする。つまり、フエフキダイ生息域の北限が更新されたとは言い難い。

 しかし、今年に入って比較的体長の大きい個体が上がることから「南の方から回遊し、温暖化による環境変化で冬を越すのが難しい海域だったのが住みやすくなった可能性はある」と分析する。

 岸本班長に釣り上げた2種の写真を見てもらうとフエフキダイ、ヨコスジフエダイに見えるとの回答があった。九州では市場で流通し、刺身やムニエルなどさまざまな調理法があるという。
 

ヨコスジフエダイの塩焼き

 双方を塩焼きにして食べた。いずれもおいしく、特にヨコスジフエダイは脂が乗っていた。今後、水温が下がる中で釣果があるかは不明だが、「外道」などとぞんざいに扱わず、お土産として持ち帰りたい。
 

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