1カ月ほど前から、わが家にも喪中はがきが届いている。正式には「年賀欠礼状」と呼ぶらしい。喪中期間の正月に、「新年を喜ぶあいさつを控えること」をわびる意味を持っており、相手が年賀状を用意し始める前に届けるのが礼儀。一般的なあいさつ状と同様に句読点も使わない▼先日、妻が「こんなの初めて」と一枚のはがきを差し出した。見ると喪中のあいさつに続き、こう書かれていた。<年賀状のないお正月は淋(さび)しさが募ります 皆様(みなさま)からの年賀状は いつものようにお待ちしています>▼喪中はがきは詫(わ)び状であり、先方からのあいさつを拒否するものではない。たとえ年賀状が届いても「礼儀知らず」と憤慨するのは筋違いだ。喪中はがきをもらった方も、あえて投函(とうかん)を控える必要もないだろう▼年賀状の受け付けが15日に始まる。日本郵便によると、2022年用のお年玉付き年賀はがきの当初発行枚数は前年比約6%減の約18億3千万枚で、記録が残る04年用以降で最少。会員制交流サイト(SNS)の普及や、コロナ禍で企業が広告用を減らしたことも要因らしい。わが家の購入枚数も年々減ってきた▼ちなみに年賀状も句読点を付けないのが常識らしい。お祝いの文章を「区切る、終わらせる」のは縁起が悪いので避けるためという。年に1度のやりとりでも、せっかくの縁はつないでおきたい。そろそろ年賀状の準備を始めよう。(健)