偶然とは考えられないほど、高い確率で晴れや雨といった特定の天気が現れる日を「特異日」と呼ぶそうだ。その代表例が11月3日の文化の日。理由は分かっていないが毎年、秋晴れに恵まれることで知られ、山陰両県は今年も多くの所で晴れだった▼政治家の出生にも特異日が存在するのだろうか。自民党総裁の岸田文雄首相(64)、立憲民主党の泉健太代表(47)、共産党の志位和夫委員長(67)の3人は、いずれも7月29日生まれという。国政政党のリーダーの誕生日がぴたりと一致する▼単純計算すると、2人の誕生日が同じである確率は365分の1。3人が一致するとなると、13万3225分の1となる。先月末に代表に就いた泉氏は記者会見で「運命的なものを感じる」と語り、岸田氏、志位氏に誕生日会の開催を提案した▼これだけではない。元首相の故橋本龍太郎氏や元社会党書記長の故江田三郎氏、元国土交通相の故羽田雄一郎氏も3党首と同じ誕生日。大物政治家の出現率に驚くほかない▼政治とは無縁だが、7月29日生まれといえば、島根県隠岐の島町出身の幕内力士・隠岐の海もその1人。幕内で3番目に年長の36歳となったものの、息の長い活躍を続け、九州場所では大関正代を破る番狂わせを演じた。大物力士に育つ素質を期待され、今も挑戦者の気持ちを保つベテランの三役復帰はかなうのか。郷土力士の晴れ姿を再び見たい。(文)