和洋折衷、クリスマスは「こたつ」でケーキを食べた家もあったことだろう。『ちびまる子ちゃん』の作者・故さくらももこさんも「家庭内クリスマス」と題したエッセーの中で、昭和時代のそんな様子を描いていた▼そういうわが家も、子どもが小さい頃は同様。こたつがクリスマスツリーと同じ空間に同居していた。各部屋にエアコンを付ける余裕がなかった時代は、冬の暖房はこたつと石油ストーブが主役だった▼こたつには、時代ごとの思い出がある。少年時代は、炭や炭団(たどん)を使った「やぐらごたつ」や「掘りごたつ」。学生や単身赴任の頃は「電気ごたつ」に重宝して、気が付くと、こたつの周りに円を描くように必需品が並んでいた。こたつ板の裏にはマージャン用に緑色のラシャが張ってあった▼電気ごたつはその後、家具調化したものの、生活様式の洋風化が進み、わが家ではここ数年は出番なし。場所を取る上に一度入ると腰が重くなり、うたた寝を誘うからのようだ▼しかし、今冬は復活のチャンスになると期待している。エアコンや高値が心配な灯油を使って部屋全体を暖めるよりも、こたつの方がはるかにエコだという大義名分がある。うまくいけば久々に、こたつで鍋物をつつきながら晩酌が楽しめる。それが節約やエコにつながれば一石二鳥。不透明な原油価格を逆手に、この年末は「こたつ文化」の復権を唱えてみよう。(己)