本格的な復旧工事が始まり、ダンプカーが出入りする地滑り現場=出雲市多伎町小田
本格的な復旧工事が始まり、ダンプカーが出入りする地滑り現場=出雲市多伎町小田

 出雲市多伎町小田の国道9号付近で発生した地滑りの本格的な復旧工事が18日、始まった。南の山側を広げて2車線を確保する計画で、初日は山の砂を取り除く作業が続けられた。2022年12月に全面通行が再開する見込み。

 午前8時すぎに作業が始まると、重機が南側の山の砂を掘り込んだ。現場には続々とダンプカーが乗り入れては砂を持ち出した。

 国土交通省松江国道事務所によると、工事は山の砂を3千立方メートル撤去し、地下水を抜くための井戸を1カ所設置。鉄製のグランドアンカーを約110本地中に打ち込んで滑りを防ぐ。

 道路は現在ある擁壁を撤去して山側に寄せる。センターラインは従来より山側に3メートル移動する。現在、用地買収の交渉を進めている。事業費は計約8億円を見込む。

 工事期間中、国道9号の片側交互通行は原則維持し、JR山陰線も列車の運行に影響がないよう配慮する。

 ただ、現場の地滑り観測値が1時間2ミリを超えた場合は全面通行止めにして、安全確認する。

 地滑りは21年8月、幅100メートル、高さ30メートル以上の範囲で発生し、国道9号が全面通行止め、JR山陰線も一部区間が運休した。応急工事を終えた10月に山陰線が運転再開し、国道9号の片側交互通行が始まった。

  (松本直也)