日曜夕方の人気テレビ番組『笑点』の大喜利コーナーに先週の放送から新メンバーが加わった。自らの結婚披露宴で脱サラを宣言、30歳を超えて落語界に入った桂宮治さん(45)。型破りな噺家(はなしか)が1966年から続く長寿番組に新しい風を吹かせそうだ▼型破りと言えば、番組発案者で初代司会者の立川談志さん。先代の三遊亭円楽さんに「寄席でやっている大喜利をテレビでやろう」と持ちかけたのが発端だった▼当時、テレビやラジオの普及により寄席に閑古鳥が鳴いていたことに危機感を抱き、噺家のテレビ進出を後押し。落語より動きがありテレビ向きで、CMも入れやすいという理由から大喜利にしたという。時代を見据えた名プロデューサーでもあった▼毒舌や破天荒な行動で注目を集め、天才、鬼才、反逆児など、さまざまな異名をとった。一方で古典落語を極めることに生涯をかけ、「落語とは人間の業の肯定である」という持論のもと、登場人物の心理に独自の解釈を加え、晩年まで新たな境地を目指した▼談志さんががんに倒れ、75歳で人生の高座を降りたのが10年ほど前。こんな名言を残した。「型ができてない者が芝居をすると〝型(形)なし〟になる。型がしっかりした奴(やつ)がオリジナリティーを出せば〝型破り〟になる。型をつくるには稽古しかない」。次代を担う宮治さんが名実ともに型破りになるかは今後の精進次第のようだ。(健)