※アプリをご利用の方は、写真をタップし左にずらすと計2枚の写真をご覧になれます。
何年か前の冬、漁港や堤防でのメバル釣りにのめり込んでいた。常夜灯と暗がりの境目にモエビを落とし込む。その日も夕食を食べた後に出掛け、日付が変わる頃まで加賀港(松江市島根町)の岸壁を歩きながらメバルの居場所を探っていた。
雨こそ降らないが風が冷たい。港に人影がなく、水温が低すぎるためか、常夜灯で照らされた海底にも魚影らしきものは何一つ見えなかった。「もう駄目だ」と諦めて帰ろうとした瞬間、奥の方から物音が聞こえた。
ガサガサガサ―。
先端にいたので、...