将棋の藤井聡太王将(19)が12日、大田市三瓶町の国民宿舎さんべ荘で、市内外から参加した幼児から高校生までの子ども棋士22人と交流した。対局を見守るとともに、質問一つ一つに丁寧に答えた。
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藤井王将は、勝つために必要な心持ちについて「逆説的にはなるが勝ち負けを意識せず、その局面自体をしっかり考えることが勝ちにつながる」と話した。上達法を聞かれると、詰め将棋を繰り返した経験を語りながらも「確実に強くなれる方法はない。自分が好きで、楽しく取り組めることをやっていくべきだと思う」と答えた。
「自分を駒に例えると?」の問いには「王将、竜などの強い駒だと言えればいいが自信がない。人としては『歩』ぐらい」と謙虚に述べた。
師匠の杉本昌隆八段と大盤を使い即席の詰め将棋を考え、子どもたちが挙手して答える場面もあった。
大田高校1年で将棋部の藤原彗(けい)さん(16)は「本当に参考になった。今日学んだ内容を生かして今後も頑張りたい。質問にしっかり答えてもらったこともうれしかった」と感激の表情を浮かべた。
藤井王将は1~2月の第71期王将戦で4連勝し、史上最年少での五冠を達成。さんべ荘で12、13日に予定していた第6局が実現しなかったため、王将戦主催者が大田訪問を企画した。
(錦織拓郎)