農業者の収益性向上策の一つとして、この20年ほど直売所、道の駅などでの消費者への直売モデルが推進されてきた。農業者にとって直売モデルは、従来の流通ルートよりも農業者の手取りが多い、消費者と直接コミュニケーションできる、といったメリットがある。他方で消費者からも新鮮なものが手頃な価格で購入できる、農業者の顔が見えて安心、と高く評価されている。さらにはインターネット販売も、農産物販売チャンネルの新たな柱の一つに育ってきた。
これらの新たな販売チャンネルにおける農産物流通では、農業者が自ら直売所や集荷拠点に農産物を出荷することが多い。その大部分が、農場から集荷施設までの地域内での比較的近距離の輸送であり、「ファーストワンマイル」と呼ばれている(なお、この逆の流れである「拠点から個人宅等」への物流は「ラストワンマイル」と称される)。ところが農業者の高齢化が進み、自ら車を運転して出荷するのが難しいケースも増えている。また、燃料代の高騰により出荷にかかるコストが以前よりも高くなっている点も課題である。
加えて、...
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