中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町片句)について、境港市の伊達憲太郎市長が22日、再稼働に同意すると表明した。既に同意を表明した米子市の伊木隆司市長とともに、23日に鳥取県の平井伸治知事に伝える。これを受け、平井知事も近く再稼働を容認するかどうかの結論を出す。
2号機は2021年9月、原子力規制委員会の新規制基準適合審査に合格した。原発から30キロ圏に全域が入る境港市は、中電と結ぶ安全協定と、島根県知事との覚書に基づき、再稼働についての意見照会を受けていた。
伊達市長は22日に開かれた市議会全員協議会で、「安全を第一にすることで再稼働に同意する」と表明。同意の判断に至った理由として、安全性の確認と安全協定の改定▽避難計画の実効性の一定確保▽現時点での必要性▽多種多様な意見の把握|の4点が確認できたことを挙げた。
国に対しては、厳格な審査の継続や使用済み核燃料の処分問題の解決、再生可能エネルギーの拡大などを求めていくとした。
一方、全協では議長を除く全議員14人が意見を表明。自民党系議員らでつくる最大会派・自由未来の5人、第2会派・きょうどうの2人、公明党の2人の計9人が賛成し、共産党の1人を含む2人が反対した。3人が態度を明らかにしなかった。
米子、境港両市が再稼働に同意する意見をまとめたことで、平井知事も近く県議会全員協議会で議員の意見を聞き、再稼働の是非を判断する。
2号機の再稼働を巡っては、立地自治体の松江市長が2月に事前了解(同意)したほか、米子市長が今月18日に同意を表明。安来市長も23日に同意の最終判断を表明する予定となっている。
残る出雲、雲南の各市長は今月中に判断を示す見通しで、立地自治体の島根県の丸山達也知事は周辺自治体と県議会の意見が出そろってから結論を出すとしている。
(松本稔史)