外来生物の生息状況や問題点を考える企画展「あなたのとなりのエイリアン-島根の外来生物たち-」が、県立三瓶自然館サヒメル(大田市三瓶町)で開かれている。人々の暮らしの中で持ち込まれた鳥獣や植物を、剥製やクイズ形式の展示で分かりやすく伝える。5月29日まで。
もともと地域にいなかったのに、人間の活動で意図的または偶然に持ち込まれたのが外来生物。在来種の生態や農作物などに影響を与えており、企画展では明治期以降に持ち込まれた生き物など82点を展示した。
20匹分の毛皮で作られたコートと並ぶのは、南米産のネズミの仲間・ヌートリアの剥製。戦時中に軍の防寒着の素材となったものの、その後は需要が減って各地で野生化し、特定外来生物に指定された。
ここ数年、県東部で目撃情報が相次ぎ、柿やブドウを食い荒らすハクビシンは県内初の剥製となった。
このほか、在来種か外来種か見分けがつきにくいタンポポなどの写真をクイズ形式で紹介する。安藤誠也主任研究員(39)は「外来種の問題は人間の問題。考えるきっかけにしてほしい」と話した。
サヒメルと公益財団法人しまね自然と環境財団が主催し、山陰中央新報社が共催。火曜日は休館(5月3日は開館)で、入場料は大人600円、小中高生200円。 (曽田元気)