松江城周辺で桜を楽しむ花見客。間もなく満開を迎える=30日午後、松江市殿町
松江城周辺で桜を楽しむ花見客。間もなく満開を迎える=30日午後、松江市殿町

 島根、鳥取両県で桜が1日ごろから順次、満開を迎えそうだ。開花宣言以降、両県ともに温かい日が続き、順調に開花が進んでいる。3年目に入った新型コロナウイルス禍で、春の盛りをいつも以上に楽しみにする人は多いとみられ、迎え入れる側がイベントを再開させる動きも出てきた。ただ、感染拡大の第6波は都市部中心に収束しておらず、引き続き感染対策にに注意を払いながらの花見シーズンとなる。
      (勝部浩文)

 ソメイヨシノの開花宣言は、島根県が平年より3日早い26日、鳥取県が2日早い27日だった。松江地方気象台によると、4月1、2日はいったん肌寒くなるものの、3、4日以降は再び気温が上がるとみる。ソメイヨシノは開花後、およそ1週間で満開になることが多く、支障なく開花が進んでいる。

 満開予想は、民間気象情報会社・ウェザーニューズ(千葉市)が便利だ。ホームページで島根県12カ所、鳥取県13カ所の情報を載せており、開花日は30日現在、松江城山公園(松江市)1日▽浜田城山公園(浜田市)4日▽斐伊川堤防桜並木(雲南市)や湊山公園(米子市)5日|と予測する。

 コロナ禍に入り花見シーズンは3回目。前年や前々年に中止や自粛をしていた催しを、工夫しながら再開する動きが広がっている。

 松江城山公園で開かれる「お城まつり」は、露店は禁止するものの、安来節や音楽バンドの特設ステージは3年ぶりに復活する。雲南市木次町木次の斐伊川堤防桜並木周辺では、駅前ステージはないままだが、雲南市観光協会が花見客の呼び込みとJR木次線の利用促進を兼ねた着物ツアーを企画。担当する有元純代推進員(40)は「感染予防の要所は押さえつつ、にぎわいを取り戻したい」と話す。見ごろを確認する県外からの問い合わせも多いという。

 一方、1月に急拡大した第6波は収束していない。両県とも1日当たり100人前後の感染確認が続き、松江や出雲、米子などの各市で下げ止まったままだ。

 島根県感染症対策室の田原研司室長は「対策を怠っていい状況ではない。宴会などは控え、できる限り密集を回避しマスクを着けた上で楽しんでほしい」と呼び掛ける。