中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町片句)について、雲南市の石飛厚志市長が30日、再稼働に同意する回答書を島根県に提出した。市議会が同日の臨時会で、回答案を賛成多数で了承した。原発30キロ圏内に入る鳥取県と松江、出雲、安来、雲南、米子、境港の6市の首長の同意が出そろったことになり、立地自治体の島根県の丸山達也知事による判断に焦点が移る。
昨年12月に県から意見照会を受けた石飛市長は、今月24日の市議会全員協議会で再稼働への同意方針を表明。県への回答案を28日開会の臨時会に提出し、島根原子力発電対策特別委員会(細田実委員長、7人)は賛成多数で了承した。
臨時会は特別委の細田委員長の報告に続いて討論があり、賛成の松林孝之議員(政友クラブ)は「安全性の確保を大前提としてカーボンニュートラルの実現と、県民の暮らしと経済基盤を支える電力の安定供給のために再稼働はやむを得ない」と述べた。
対して立憲民主党の足立昭二議員は反対の立場で「原子力災害は市町村の境界など関係なく、立地自治体と同様な被害が生じることは明らか。(立地自治体並みの)安全協定が結ばれない状況の中で再稼働は認められない」と指摘した。
採決は、自民党系最大会派の政友クラブ(5人)や雲南木鶏の会(3人)、明誠会(2人)、公明党などの14人が賛成し、立憲民主党2人、共産党1人、無所属1人の4人が反対した。採決に加わらなかった佐藤隆司議長は取材に対し、回答案を支持する考えを示した。
市は31日に中電に対し6項目の要望を伝える。
(狩野樹理)