大型連休の初日、JR木次線に乗って、木次駅前にあるチェリヴァホールで雲南市創作市民演劇『鉄人56号』を鑑賞した▼1916年に簸上鉄道の開業で始まった歴史と、開業前の明治から令和まで5代にわたって人々が紡いできた思いを時空を超えて伝えたいという演者の願いが、拍手の様子から観客席に届いたと感じた。何かの機会に再演を望む者の一人として、詳しい内容にはあまり触れないようにしたい▼公演終了から宍道行きの最終列車の発車まで約50分。ホームで演劇のパンフレットを読んだ。「〝乗る〟以外でも応援を」との見出しが目に入った。本紙で紹介した木次線応援弁当、グッズの制作、沿線住民の駅清掃活動や手振りなどの取り組みが紹介されていた▼JR西日本が公表した木次線の営業係数(100円収入を得るのにかかる経費)は宍道-出雲横田駅間が1323、出雲横田-備後落合駅間が6596。少しでも改善するために、乗る以外で何ができるか。持続可能な取り組みではないとの批判を覚悟であえて言うが、ふるさと納税などの仕組みを利用し「路線を必要とする誰かに、代わりに乗ってもらう」ことはできないか▼演劇のせりふでもあった。「諦めたら試合終了」。JR西が指摘するように大量輸送システムとしての役割は終わったかもしれない。だが、鉄路が道路に比べ「お荷物」なのか-。もっとあがきたい。(万)