農産物・食品の価格高騰が相次いでいる。代表例として小麦に焦点を当てよう。小麦の輸入は政府が一括して行っており、その後政府から製粉会社に売り渡すという仕組みになっている。輸入小麦の政府売り渡し価格(政府が製粉会社に売り渡す際の価格)は半年ごとに決定されるが、3月に発表された2022年4月期の価格は21年10月期から約17%の上昇となった。それを受けて、メーカーによる小麦粉や小麦を主な原料とするパスタ、パンなどの加工食品の値上げ発表も目立つ。

 小麦をはじめとする穀物価格の高騰の要因を見てみよう。まずは基本的な要因として、国際的な中長期の需要増大がある。中国をはじめとする新興国の所得向上と人口増大により、さまざまな農産物の需要が急激に増えている。今回の小麦などの価格高騰は、それに世界各地で頻発する天候不順による不作が重なった。特に昨夏のアメリカ、カナダなどでの高温、乾燥による不作が大きな影響を与えている。この数年はそれに加えて新型コロナウイルスの影響も出ている。穀物輸出国における感染者拡大により、加工や流通がストップし、輸出量の減少や輸出の遅滞が発生した。

 さらにこの春からはウクライナ問題の影響が...