五月晴れの休日に松江市の朝日山(あさひやま、344メートル)に向かった。比較的楽に登れて、山頂からの日本海や宍道湖の眺望はなかなかのもの。海に沈む夕日も味わい深い。 (読者室・山本洋輔)
北の鹿島地区、南の長江地区の間にそびえ、出雲国風土記に「神名火山(かんなびやま)」と記された歴史ある山。地元では「あさえさん」と親しまれる。
鹿島、長江両地区からのルートがあり、鹿島からのルートを選んだ。登山道入り口は鹿島町古浦の市道古浦西長江線から入ってすぐ。駐車場とトイレがある。

山頂までは「1.4キロ」の表示。最初は整備された石段が延々と続く。540段あるという。体力にもよるが、初めての人にはこたえるかもしれない。その後は山道が続く。家族連れや高齢者夫婦とすれ違い、広く親しまれている山だと実感。登り始めて40分くらいで山頂にある朝日寺に着いた。


休憩所もあり、この日は岩田賢栄住職(60)が来訪者をもてなしていた。岩田住職によると「気軽に登れるので週に何回も登る人もいる」という。


眺望がきく本当の山頂は東の峰と西の峰。それぞれに足を伸ばすと、北に日本海の大海原、南には宍道湖を見下ろし、かなたには三瓶山や大山も望める。薫風を全身に浴びながら、時間を忘れて眺め入った。








「この時季の夕日も素晴らしい」と岩田住職に教えてもらったことから、下山して昼寝をした後、夕方にこの日2度目の登頂をし、西の峰で日没を待った。


現れたのは、水平線の手前で太陽が海に沈んでいくように見える不思議な光景だった。気象状況によるたまたまの現象だったのだろうか。もう一度拝んでみたい夕景だった。