大敗した第2戦の試合直後に安藤誓哉選手が見せた不敵な表情は、おとといの第3戦に向けた覚悟と自信の表れだったのだろう。バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)の島根スサノオマジックが、年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)準々決勝でアルバルク東京を破り、4強入りした▼2戦先勝方式の1勝1敗で迎えた第3戦。連覇の経験がある試合巧者との拮抗(きっこう)した展開を一変させたのは、安藤選手の気迫と、屈強な体格のリード・トラビス選手の3連続3点弾だった▼普段はゴール付近に陣取る大型選手が外角でプレーするスタイルは「ストレッチ4(フォー)」と呼ばれ、相手の守備を広げて攻撃スペースをつくることができる。米NBAの戦術として生まれ、東京五輪銀メダルの女子日本代表も多用する▼シュート技術に長(た)けた選手でなければ務まらないが、島根には身長206センチながら3点弾成功率が4割のニック・ケイ選手もいる。21日からの琉球ゴールデンキングスとのCS準決勝でも強みを見せたい▼プロ野球や大相撲には及ばないが、この3連戦でプロバスケが日常に根付きつつあると実感した。会場ではバスケ未経験の旧友と久々に顔を合わせることができたし、きのうは職場で試合談議に花が咲いた。これぞ球団創設時に関係者が夢描いた姿だ。この流れをさらに強固なものにするためにも敵地でもう一暴れしてほしい。(文)