「チュン、チュン」「チュピ、チュピ」-。うまく表現できないが、窓の外でスズメ、ツバメの鳴き声が聞こえる。特にスズメの鳴き声はこの季節、うるさいほどだ。軒下に巣作りしたのか、鳴き声で目が覚める▼われわれの生活圏で最も身近な鳥であるスズメ、ツバメが減っているという。環境省が全国1947地点で実施した全国鳥類繁殖分布調査(2016~21年)によると、スズメは2万627羽で、前回(1997~2002年)に比べ1万羽余りも減った。ツバメも8987羽で約6千羽減った▼スズメは身を隠せる隙間を好み、軒下などに巣を作る。しかし最近マンションなどが増えて巣を作る場所が少なくなったのと、巣の近くに緑地がなくなり、巣作りの材料を調達したり、餌を得たりすることが困難になったのが減少原因と考えられている▼春になるとやって来るツバメは、人間が出入りする場所、車庫などに営巣する。困るのは巣の下に糞(ふん)を落とすこと。車のボンネットに新聞紙などをかぶせ糞被害を防ぎながら成長を見守っている人も多い。ツバメも耕作放棄地増加で餌の昆虫などを得にくくなっていることが減少原因と考えられている▼山陰ではまだスズメもツバメも普通に見られる。とはいえこのままでは絶滅危惧種になりかねない。SDGs(持続可能な開発目標)の「誰一人取り残さない」理念は、人間だけの問題ではない。(富)