北海道出張で新千歳空港からJRで札幌市へ向かう途中、車窓から工事中の巨大な建物が目に飛び込んできた。札幌に隣接する北広島市で建設が進むプロ野球日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」だ▼収容人員は約3万5千人。天然芝球場では国内初となる開閉式屋根を備え、温泉やサウナを楽しみながら観戦できる施設を併設。周辺にキャンプ施設や分譲マンション、認定こども園もできるという。まるで球場を核とした「街」。来春の開業が待ち遠しい▼とはいえ現在の本拠地・札幌ドームも約4万人の収容人員を誇り、現地入りした2日は、サッカー日本代表のパラグアイとの国際親善試合も行われていた。ドームは札幌市の所有で、自前の球場を持って収益力を高めたい日ハム側の事情があっての移転だが、立派なプロスポーツの「器」が二つとは何とも贅沢(ぜいたく)だ▼地元チームへのファンの熱は島根も北海道に負けていない。先月、本拠地・松江市総合体育館であった島根スサノオマジックのバスケットボール男子Bリーグ1部(B1)チャンピオンシップ準々決勝は、3試合とも満員の3500人前後の観客を集めた。ただ、準決勝で8千人を集客した沖縄アリーナには見劣りする▼Bリーグは2026年を目標に平均観客数4千人などの要件を設けた「新B1」創設構想を掲げる。島根も「器」の整備とともにファン拡大が欠かせない。(健)