島根県が13日、12日確認分の新型コロナウイルスの県内感染者数が6人だったと発表した。1月4日以来、約半年ぶりの1桁台で、感染者数が急速に減少している。県は現在主流の変異株「オミクロン株」の亜種「BA・2」が収束期を迎えつつある点や、湿気が多い時期になりウイルスが空気中にとどまりにくくなった可能性を指摘する。
県内の1週間の感染者数(人口10万人当たり)は5月中旬から減少。同24日に99・9人と100人台を割り込み、6月12日時点で31・6人まで下がった。
県内ではこれまで、英国由来の「アルファ株」が20年4月下旬以降、インド由来の「デルタ株」が21年7月中旬以降、それぞれ流行し、いずれも3カ月程度で収束。オミクロン株は3月下旬以降で「BA・1」から「BA・2」に置き換わっており、県感染症対策室の田原研司室長は「年間で同じ株が流行することは考えにくくBA・2の勢いが衰えている可能性がある」と分析する。
部活動中の感染症対策の徹底で、拡大の中心だった18歳以下の感染者数が減っているほか、多湿に伴い、空気中に放出されたウイルスの活動が弱まる点も理由として考えられるという。
一方、県内ではBA・2よりも感染力が強いとされる新たな亜種「BA・5」が13日時点で4件確認され、広がりが懸念される。夏場のエアコンの稼働で窓を閉め切るケースが増えれば、再拡大する可能性もあり、田原室長は「対策の必要性は変わらない。3回目のワクチン接種を含め、気を抜かないよう心がけてほしい」と注意を促した。
(佐々木一全)