鳥取砂丘砂の美術館(鳥取市福部町湯山)で、今夏開幕する「砂で世界旅行・エジプト編」の巨大砂像の制作が進み21日、報道向けに公開された。砂丘の砂約3千トンを使用し、作るのは古代エジプト時代の神殿やピラミッドといった21作品。世界各国の砂像彫刻家が左官こてやはけを使い慎重に作業している。
2022年はイギリス人考古学者ハワード・カーターによるツタンカーメンの王墓発見100周年にあたり、展示テーマにエジプトを選んだ。
目玉の一つが、エジプト南部の古代遺跡「ルクソール神殿」を再現した作品。高さ約4メートルの王の像2体が並ぶ姿は迫力がある。エジプト文明を象徴するクフ王のピラミッドやスフィンクス像の作品も並ぶ。
エジプト文明はナイル川流域の小麦農耕に支えられて発展したとされる。会場には古代エジプト人がパンを作っている様子を再現した作品もあり、文明が栄えた当時の人々の暮らしを垣間見ることができる。
同美術館によると、砂丘の砂は粘着性があり立体的な巨像を作るのに適しているという。黄色みがかった美しい色も特徴だ。イタリアやスペインなど9カ国16人の砂像彫刻家が制作し、5作品は完成済み。
制作の進展状況によるが、開幕は早ければ7月末の予定。遅くともお盆休みには間に合わせたいという。総合プロデューサーの茶圓(ちゃえん)勝彦氏(61)は「新型コロナ禍で海外旅行は難しいかもしれないが、作品を見てエジプトを旅行した気分になってもらえたらうれしい」と話した。
(福間崇広)











