元鳥取県議で自民党新人の藤井一博氏(44)が比例代表で優先的に当選できる「特定枠」から出馬した。名簿上位で処遇される一方、自身の選挙活動はできない仕組みで、街頭では制度の説明と鳥取・島根合区選挙区に立候補した自民公認候補の支持拡大を訴えた。

 鳥取県三朝町であった県中部出発式に参加した藤井氏は、集まった60人を前にマイクを握り、自らの主張を展開できないことに理解を求めた。選挙区で立候補した青木一彦氏への支援を呼びかけて演説を終えた後、取材陣に対して「特定枠の制度を丁寧に説明する」と話し、期間中は後方支援に徹する考えを示した。

 特定枠は合区によって候補者が立てられない県への救済策として2019年に導入された。特定枠の候補は、選挙事務所の設置▽選挙カーの使用▽ビラの配布▽ポスターの掲示―など個人の選挙活動が認められていない。 (藤井俊行)