「葉月」のブランド名で、米粉を使ったスイーツを製造・販売している杉浦七瀬さん
「葉月」のブランド名で、米粉を使ったスイーツを製造・販売している杉浦七瀬さん

 鳥取県伯耆町の杉浦七瀬さん(30)は店舗を持たず「葉月」のブランド名で大山エリアを中心に、鳥取県産の米粉を使用したスイーツを提供する。材料には鳥取県産の米、乳製品、野菜を積極的に使い、化学調味料は一切使わず、素材にこだわったクッキーやケーキが人気を集めている。(Sデジ編集部・宍道香穂)

 杉浦さんは伯耆町出身。子どもの頃からお菓子作りが好きだったと言い、製菓の専門学校を卒業後、会社員を経て2020年3月、米粉を使った焼き菓子の製造、販売を始めた。お菓子を販売するなら何か特徴がほしいと思索し、米粉を使ったスイーツを作り始めた。

 野菜パウダーを練り込んだ「おやさいクッキー」(1袋500円、税込み)やクリームチーズの濃厚な味わいが楽しめる「バスクチーズケーキ」(長さ16センチ、高さ7センチ、1本2200円、税込み)が人気。米粉ならではのしっとりとした食感と優しい味わいが楽しめる。

野菜パウダーを練り込んだ「おやさいクッキー」

 看板商品の一つ、おやさいクッキーには有機栽培の野菜を手がける「大山スマイルファーム」(鳥取県大山町岡)の野菜パウダーを使用している。ニンジンやモロヘイヤ、ビーツなど野菜の粉末を練り込み、お菓子を食べながら野菜の栄養を補給できる。
 食べてみるとまず、サクッとした食感と香ばしさを感じた。ほどよい甘さで、軽い食べ心地。香ばしさの中にそれぞれの野菜の風味をほんのりと感じる。材料は米粉、米油、メープルシロップ、野菜パウダーと、シンプルながら、風味豊かに仕上がっている。サクサクと軽い食べ心地、甘さ控えめの味わいで、いくらでも食べられそうなクッキーだ。

ビーツパウダーを練りこんだクッキー。さくさくと軽い食感と香ばしい味わいを楽しめる。

 バスクチーズケーキは米粉やきび砂糖のほか、クリームチーズ、卵、生クリームを使い製造する。生クリームは大山乳業、卵は大山町加茂の小川養鶏場のものを使い、材料は地元産にこだわる。

 ほかにもシフォンケーキや、外側はカリッと、内側はしっとりとした食感が特徴の焼き菓子・カヌレなどを販売する。最近は国史跡・米子城跡の石垣をモチーフにした「石垣クッキー」を販売するなど、大山エリアにとどまらず、鳥取県内を中心に人気が高まっている。

米子城の石垣をモチーフにしたクッキー

 米粉を使った焼き菓子作りは工夫が必要で、試行錯誤を重ねたという。例えばクッキーに米粉を使うと、キシキシとした食感が気になる。使う米粉の種類や分量を変えながら、好みの食感に仕上がるまで「ひたすら作り続けた」と話す。
 また、シフォンケーキなどを作る場合は米粉を入れると生地が膨らみにくくなってしまう。「生地を混ぜる時になるべく空気が入るよう意識しながら、丁寧に混ぜている」と、作る時の工夫を話した。最近は白米の米粉のほか、香ばしさが特徴の玄米粉も取り入れ、さまざまな味わいを楽しんでもらえるよう挑戦を続けている。

しっとりとなめらかな生地、クリーミーな味わいが特徴の「バスクチーズケーキ」

 小麦不使用の焼き菓子を販売する店は少なく、小麦アレルギーの子どもがいる親などに喜ばれているという。シフォンケーキやチーズケーキは伯耆町にふるさと納税をした人の返礼品になっていて、県内外へ発送されている。

 伯耆町の直売施設「大山ガーデンプレイス」や米子市内の小売店、鳥取県内のイベント、オンラインショップで販売している。
 現在は委託販売やオンラインでの販売がほとんどと言い、杉浦さんは「いずれは店舗を持ち、お客さんと直接コミュニケーションを取りながらお菓子を販売したい」と、今後の目標を話した。食材や製造方法にこだわり丁寧に作られたお菓子が、鳥取県の「ご当地スイーツ」として広く知られる日も近いかもしれない。

 商品やイベント出店に関する情報はインスタグラムまたはホームページで発信している。