どうなる?日本の政治と経済
野党 国民に響く政策必要
山陰中央新報社の島根政経懇話会、米子境港政経クラブの定例会が20、21日、松江、米子各市であった。政治評論家の有馬晴海氏が「どうなる?日本の政治と経済」と題し、10日に投開票された参院選の結果を踏まえて政治情勢の展望を語った。要旨は次の通り。
参院選は自民党が勝利した。長い時間をかけてつくり上げてきた組織はなかなか崩せない。比例で、野党は、参政党とNHK党がインターネットを活用して1議席を取った。日本維新の会は8議席を獲得した。一方で、野党第1党の立憲民主党は7議席しか取れなかった。
合区を含め、全国に32ある1人区はだいたい自民対立民。立民はまだまだ組織力があるので、1人区でもそこそこ残った。維新は4人区で4人とも通るぐらいの勢いがあったが、全国の1人区ではなかなか勝てない。
3年前の参院選で野党は共闘し、1人区で10議席を取った。ところが、共闘せずそれぞれ単独だと、前回より6減の4議席しか取れなかった。
野党共闘ができなかったことがあるが、共闘は選挙期間だけの問題。本来であれば、自分たちの党を大きくして国民に理解してもらわないといけない。
立民も、党として組合員ではない有権者が投票したいと思わせる体質をつくらないといけない。例えば、「5年間応援してくれたらこれをやる」というようなことを打ち出し、国民の魂に響くような政策を打ち出す必要がある。
ネットを積極的に使ったNHK党は「NHKをぶっ壊す」を掲げ、選挙区で73人を擁立。比例は9人で、獲得票数は前回選の98万票から125万票まで増えた。参政党は176万票を獲得。ネットのミニ政党も増えていくと思われる。
(清山遼太)